治験というのはあまり一般には馴染みのない言葉かもしれませんが、新しい薬の臨床試験のことを指します。

新しい薬を作る場合、最初は研究室でいろいろな医学的な実験を行って薬の候補を見つけ出します。続いて、これは夢の新薬になるかもしれないと思われれば、動物実験が行われます。モルモットやサル、イヌなどの動物を用いて実際にその薬を投与し、ヒトでの効き目がありそうか、安全性に問題はないかを確かめるわけです。ですが、それでは最終的に薬にすることはできません。

ヒトで効き目が本当にあるか、本当に安全かどうかは、最終的にはヒトに投与して試してみなければ分からないのです。このようにヒトに投与して試してみる試験のことを治験と呼んでいるのです。中には、治験とは治療実験とか治療試験の略だという人もいますが、全く否定するわけではありませんがあまり一般的な説ではありません。ともかく、新しい薬を世に生み出すためにはどうしても必要なステップとはいえ、まだヒトでの効き目や安全性が十分に分かっているとは言えないというか、分かっていないからこそ行うものですから、科学的にもまた倫理的にも細心の注意を払って行う必要があります。

そのための基本的な考えとしては、まずは科学的にみて十分な合理性があること、つまりそれまでの動物実験の結果などから考える限りにおいてヒトでも効き目がありそうで、かつ安全と考えられることと、後は自発的な同意に基づいてのみ投与されるという倫理性です。

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