治験という言葉で頭に浮かぶのは、危険だけど高収入のアルバイト、人体実験のようなイメージを想像する方も多いと思います。

しかし、医療技術の発達や新薬の開発と普及には絶対に必要な段階であり、厚生労働省で厳しく管理されています。いま私たちが安心して高度な医療を受けられること、適切な投薬で体の負担が少ない治療が受けられること、これは治験があるから、治験に参加した人がいるからなのです。正しい知識を持って医療制度を理解することが大切です。一つの薬が誕生し患者さんに届くままでには、いくつもの気の遠くなるような段階を踏まなくてはなりません。

薬を開発し、まずは動物で安全性を確認した上でヒトで確認する。ヒトで新薬の効果と安全性を調べる臨床試験を治験といいます。さまざまな試験をクリアして認められる新薬は、11、300個の候補のうちのひとつ、承認には10年から20年かかると言われています。多くの過程、多くの協力者を経て、患者さんのもとに届くのです。現代はインターネットで広く協力者募集が行われていますが、参加するにはかなり厳しい審査があります。担当医師や治験コーディネイターから参加の注意点が詳しく説明されます。

動物実験で安全性が確認されたとはいえ、副作用、事故の可能性はありますので、協力者には高額な報酬が払われる場合が多いです。協力した人たちは、高額な報酬だけでなく、薬や病気についての関心が高まった、新薬開発のために社会貢献できた、入院試験中に規則正しい生活ができて健康になったというような声がたくさんあります。高度医療社会を支える製薬会社はもちろんですが、新薬を世に出すためにはたくさんの協力者がいるということを忘れてはいけません。

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